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日刊食品通信
2025年9月3日

即席カレー、出荷金額が2年連続で伸長


ユーザーの嗜好と世帯の多様化が進む

 2024年度の即席カレー市場は、“令和の米騒動”という逆風が吹く中ではあったが、各社が23年に実施した価格改定効果が続いており、出荷金額は前年を上回る水準で着地した。

 厳しいコスト環境の中、家庭用は従来アプローチできていなかった顧客層の獲得に向けた製品・プロモーション施策を強化し、数量ベースの需要回復に注力。各社の基幹ブランドが概ね堅調に推移したほか、新製品も寄与した。なお、総務省の家計調査による24年の即席カレールウ1世帯当たりの支出金額は1,500円・前年比6.5%増と大幅増。購入数量は1,205g・1.0%減で4年連続の減少だった。業務用は顧客ニーズへの提案力強化と接点拡大に取り組み、好調をキープ。その結果、24年度の即席カレー売上高は2年連続で伸長した。

 出荷金額が伸長した一方、ルウカレーユーザーの嗜好と世帯の多様化が進んでおり、従来製品ではアプローチできない層が出てきている。そこで各社は“嗜好の多様化”と“世帯構造の変化”に対応する全方位戦略を展開し、多彩な新アイテムを発売。加えて、カロリーオフや油脂を抑えた製品など、健康面に気を使うユーザーに向けた発信も行っている。

 安心感ある定番ブランドの価値をブラッシュアップしつつ、高付加価値品や利便性の高い商品、そして調理が楽しくなるアイテムを提案していく。その日の気分に応じて、店頭の棚から選んで調理できるラインアップを揃えることで、家庭でカレーライスを作る機会を増やし、食卓登場頻度をさらに高めていきたいところだ。(関連記事を姉妹誌「酒類食品統計月報9月号」に掲載)

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