日刊経済通信社推計による11月前半(23日まで)の流通菓子出荷実績(金額ベース)は、合計で102%と堅調に推移している。
チョコレート、ビスケットで冬季限定品の出荷が1ヵ月を経過、年末に向けての冬季菓子商戦が本格的にスタートしている。10月の発売当初は苦戦していた洋酒系なども気温も下がってきたことで、昨年に比べ荷動きが回復してきたようだ。チョコレートは各社で改定のタイミングがずれていたことで、板チョコやナッツチョコなどで価格差が出ていた。今回の価格改定で同水準にまで上がったことで当初は荷動きが鈍化が予想されたものの、ナッツ系やポケット物のチョコスナックなど堅調。ビスケットは、ソフトビスケット・クッキーは新製品投入もあり順調に推移している。
キャンディ、スナック菓子は、11月に入っても伸長が続く。キャンディではのど飴、グミがけん引、スナック菓子は、袋ポテトチップスが新製品の投入や特売などプロモーションが寄与し、11月も前年を大きく上回る水準となったようだ。また、相次ぐ価格改定で特売価格が上昇した中では、割安感のあるコーン、小麦系のスナックも特売採用が増えたことで増勢となっている。
価格改定により販売の鈍化が予想されたが、年末を前にビスケットなどの特売頻度が上昇するなど、販促が増加し市場活性化につながっている。12月に入るとスナック菓子のビッグパックを中心に大袋の販促機会が増えるが、売価の設定が注目される。