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日刊食品通信
2025年9月2日

今夏のビール販売4年ぶりに減少


異常な酷暑が仇となり缶を中心に需要不振

 本紙が推定した今夏(6~8月)の国産大手4社ビール販売は、前夏比96.3%の約4,955万箱(大びん換算)となった。マイナスは4年ぶり。期間を通して各月の平均気温がそれぞれ過去最高を更新する酷暑が仇となり、7月は100.7%と辛うじて前年をキープしたものの、6月が97%、8月は91%と大きく減少し、全体を下押した。

 また、エコノミー・カテゴリーも91.4%の約3,549万箱と大幅に減少。中でも旧新ジャンルは88.4%と2ケタ減少した。発泡酒はビール並みの96.2%で、3カテゴリー計は94.2%の約8,504万箱。2年連続のマイナスだった。カテゴリー構成比は、ビールが58.3%(前夏57%)、エコノミー・カテゴリーが41.7%(43%)。内訳は、旧新ジャンルが25%(26.7%)、発泡酒は16.7%(16.3%)となっている。

 一方、容器別にみた今夏のビール販売は、構成比が64%だった缶が前夏比96%の約3,170万箱、27.6%だった業務用樽が97.4%の約1,366万箱、8.5%だったびんは94.7%の約419万箱。業務用樽とびんの合計前夏比は96.8%で、缶の減少が最も大きかった。エコノミー・カテゴリーの大幅減と合わせて、今夏のビール類は、家庭用需要の不振が大きく響いたことになる。

 その大きな要因には異常な暑さがある。日中に多くの水分補給を余儀なくされ、体力を消耗してからの帰宅後に飲むビール類の量は自ずと制限された。加えて、より軽快な味わいの無糖RTDへの消費移行、あるいは併飲も加速したとみられる。さらに、缶で提供される屋外レジャー産業も、あまりの酷暑で厳しい状況にあった。

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