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日刊食品通信
2025年6月18日

豪州産下期原料チーズが上昇(本紙調)


チェダー、t当たり5,500ドルに

 豪州産輸入原料チーズの2025年下期(7~12月)価格は、4%程度の値上がりでほぼ妥結した(本紙調)。チェダーのt当たり価格は5,500ドルで、25年上期(1~6月)比では約200ドルの値上がりとなる。また、ゴーダは同5,450ドル、約4%上昇した。

 豪州の生乳生産は安定しているものの、日本・韓国・ベトナム・インドネシアなどのアジア圏や、中東を中心とする輸出向け乳原料及び豪州国内の需要は旺盛で、低迷していた中国も全粉乳や脂肪分に対する輸入が復活している。国際的な乳製品市況をみると、バターが過去最高値圏で推移するなど脂肪分への引き合いが強まっている。このためチーズに仕向けられる生乳の確保が課題で、さらに豪州では25~26年度(7~6月)の当初乳価が10%程度引き上げられていた。このため豪州側は製品価格への転嫁が求められており、今回の交渉でも、当初400ドル程度の値上げが打診された。

 一方、日本国内のチーズ需要は複数の値上げの影響から低迷。農水省のチーズ総消費量によると、数量ベースでは20年度以降23年度まで前年割れが継続。直近の24年度は底打ち感があるものの、25年3月に市販品各種で再び値上げが行われ、さらに同7月にも再値上げが行われる。物量ベースの回復は業界関係者にとって喫緊の課題だ。

 今回の価格交渉は、将来的に底堅い需要が期待できる日本市場に対し、安定的な供給力を示したい豪州側が歩み寄った結果といえそうだ。

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