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日刊食品通信
2025年5月22日

トマト加工品市場、2024年度は大きく伸長


今年度も拡大基調を維持できるか

 2024年度のトマト加工品市場は、価格改定の影響を受けながらも各社の需要喚起策が奏功。家庭用・業務用ともに順調に推移し、前年度を上回る実績で着地した。

 24年度のトマト加工品JAS格付実績は22万3,893t・前年度比6.8%増と大きく伸長した。けん引したのはトマトジュースで、11万6,116t・17.9%増と大幅増。消費者の健康ニーズをとらえたほか、美容への期待から新規ユーザーが広がり、ヘビーユーザー化も進んだことで好調を維持した。加えて、生鮮トマトの価格高騰による代替需要もあったとみられる。トマトケチャップは8万5,323t・2.6%減とマイナスでの着地ではあったが、家庭用はオムライスなどのワンプレートメニューが拡大、特に使用量の多い子育て層でニーズが広がった。総務省家計調査による24年(1~12月)の1世帯当たりのケチャップ支出金額は827円・前年比14.2%増、購入数量は1,666g・3.7%増、平均単価(100g)は49.65円・10.2%増といずれもプラス。業務用は旺盛な外食需要を背景に好調だった。

 トマト加工品の消費拡大に伴って、原料の輸入も年々増加している。財務省貿易統計によるトマトペースト類の24年輸入数量は14万2,342t・前年比7.0%増となった。

 メーカー各社は昨年2月以降に価格改定を実施したが、トマト加工品が持つ価値を継続的に訴求したことで、昨年度は値上げを乗り越える需要を喚起することができたと言えるだろう。今年度はこの流れを継続し、市場の拡大基調を維持できるかどうかが焦点となる。

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