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日刊食品通信
2024年8月21日

値上げ一巡したSOT缶コーヒーの状況


各社の苦境和らぐ、ダイドーは値下げへ

 コーヒー飲料市場は、断続的な値上げ、夏の長期化でここ数年は苦戦している。形態別に見るとコストパフォーマンス、止渇性で優位なパーソナルPETボトル、プレイヤーが少なめでファッション性と満足感を兼ね備えるボトル缶は比較的堅調だが、最大ボリュームのSOT缶が苦しく、結果的に市場全体の停滞感を生んでいる。

 ただ、今夏も猛暑のマイナス影響は出ているものの、23年5月からのSOT缶一斉値上げが一巡し、同容器の低調さは緩和されているようだ。コーヒー飲料シェアトップ2を見ると、コカ・コーラシステムの大半を占めるコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスが発表した1~6月累計コーヒー飲料販売数量は前年同期比1%減とマイナスは最小限にとどめている印象。サントリー食品インターナショナル「ボス」は7月1%増(累計6%減)で「SOT缶は安定推移」だという。アサヒ飲料「ワンダ」も7月10%増(8%減)で今年一新したボトル缶の寄与が大きいようだが、SOT缶改善もあったと見るのが妥当か。ほか、キリンビバレッジ「ファイア」9%増(8%増)、伊藤園13%増(前年並み)だが、前者はパーソナルPETボトル、後者は「タリーズ」ボトル缶に投資し、SOT缶への注力度は低めだ。

 以上のように、SOT缶コーヒーの事業環境は若干ではあるが改善された。ただ、もともとダウントレンドであり、需要がパッケージ飲料だけでなくレギュラーコーヒーなど多様に分散していることを考えると「限られたパイの争奪戦が濃厚」(業界関係者)だ。

 

▼以下略

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