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日刊食品通信
2020年9月29日

パイン缶、フィリピン産が急増


タイの大減産で代替えオーダー集中

 パインアップル缶詰市場は、フィリピン産が急増している。主産地タイの大減産に伴い、フィリピンを中心とした他産地に代替えオーダーが集中している。

 財務省貿易統計によると、今年(1~7月)のパイン缶輸入実績(加糖)は、3/3換算で合計92.9万箱(前年同期比95.1%)。うち、タイは29.2万箱(同69.1%)と3割減、インドネシアも20.6万箱(同86.5%)と減少。反面、フィリピンは39.9万箱(同138.5%)と約4割増、マレーシアも3.1万箱(同111.0%)と2ケタ増加した。近年、日本のパイン缶の約50%がタイからの輸入品で構成されていたが、2020年に入りフィリピンからの輸入が50%近くを占める状況に一変している。

 有力ブランドによれば、今シーズンのフィリピンは、肥料の配分変更を実施したものの、収穫量が落ち込む事態となり、昨年の10%ダウンが見込まれている。こうしたなか、日本向けの契約が増えており、直近の契約数は昨年の10%アップの状況にある。しかし、タイの原料事情悪化により、世界的にフィリピンへの発注が増加しているため、生産キャパは既に一杯で、年内の新規契約は難しい。ただ、今後は新規肥料を使用した原料の収穫が始まる予定で、原料状況が安定すれば年明け以降、受注数量アップが期待されている。

 インドネシアは昨19年、5~11月にかけて長い乾季となったため、雨量が少なく生育を妨げることとなった。これに伴い、20年は小玉傾向となり、チョイススライス原料が大幅に減少。5月時点で製造の遅延が発生したため、年内は5月までの受注を解消するためにスライスの追加契約はできない状況となった。

 

▼以下略

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