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日刊食品通信
2020年9月25日

上期アイス、3%増を確保(本紙調)


気になる「冒険を避ける」消費者心理

 本紙が集計した20年度上期(4〜9月)の市販用アイスクリーム市場は、前年同期比3%増で着地する見通し。4〜8月を3%増で推移。9月も17日現在6%増と堅調で、上期3%増を確保できそうだ。

 市販用アイスクリームは昨年、上期としては14年(1%減)以来5年ぶりのマイナス(3%減)を記録したが、今期はコロナウイルス感染拡大の影響で学校休校や在宅勤務を余儀なくされた結果、家庭内の消費は伸長した。

 学校休校や外出自粛が広がった3月以降、市販用ではマルチタイプやファミリー向け大容量タイプが伸長。特にGW中の消費は予想を上回った。一方、業務用は深刻なダメージが残ったほか、外出自粛の影響でCVSが低調。経済失速による不安心理は消費の低価格志向を強めている。

 市販用だけをみるとコロナ禍は売り上げ増につながった。しかし、足元では不安材料も浮上している。そのひとつが新商品の低迷で、あるメーカーは「消費者の財布の紐が固くなり、新商品を買うという冒険より、安心感のある定番品を購入する動きが目立つ」と指摘する。それだけ定番品に対する信頼がアップしたともいえそうだが、昨今のアイス市場の好調は、主力商品を常に磨き続けたことに加え、セカンド・サードフレーバーを継続的に投入し、常に定番品の鮮度を失わせないという各社共通の構図が支えてきた。新商品による鮮度アップがなければ市場はヘビーユーザーが支える需要構造となり、購入者の減少を招く。言い換えれば、定番品だけでは店頭回転が限界に近づいたともいえるだろう。魅力的な新商品や新たなアイス形態など、消費刺激策は喫緊の課題だ。

 

▼以下略

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