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日刊食品通信
2020年8月27日

タイ産パインアップル、大減産続く


2018年の大豊作から一転

 パインアップル缶詰市場は、主要供給国タイ産の大減産が続いている。昨年来の熱波と干ばつで原料パインの収穫量が激減し、壊滅的な原料事情に見舞われている。タイ産パイン原料は、2018年の大豊作から一転、19年はエルニーニョ発生により、熱波が続き降雨に恵まれなかったことから、収穫量が大幅にダウン。年間処理量は100万t未満にとどまり過去最低を記録した。

 年明け20年も状況は改善せず、有力ブランドによると、1~4月の原料状況は過去最低の処理量となった19年同期間と比較して約30%ダウン。35万t程度にとどまったものとみられる。その後も深刻な原料状況が続いており、各工場は生産能力の30~50%程度まで稼働が落ち込んでいる。

 これに伴い、原料価格は上昇を続けている。19年末段階で、THB9.0/Kgまで上昇した価格は、20年に入り、THB11.00/Kgを超え、4月にはTHB14.00/Kg付近まで達した。直近安値時(18年)のTHB3.0/Kgに比べ暴騰している。こうした状況下、一部ブランドでは今夏から値上げに動いている。小売価格は3号缶で50円程度の上げ幅になる見込み。また、タイ国内の各工場は例年8月にシャットダウンする夏実製造を6月に切り上げるなど、異例の措置を余儀なくされた。

 タイの大減産に伴い、フィリピンを中心に代替えオーダーが急増している。財務省貿易統計によると、今年上期(1~6月)のパインアップル缶詰(TQ)輸入量(3/3換算)は、タイ産25.2万箱(前年同期比25.7%減)と大幅減。これに対し、フィリピン産は33.6万箱(同34.7%増)と大幅増となり、首位に躍り出た。 

 

▼以下略

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