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緑茶市場、19年は冷夏と増税特需で前年並み
防衛意識高まる20年は“マイボトル”に注目
緑茶市場(リーフ、ティーバッグ、インスタント・粉末茶)は、長らく構成比の最も高いリーフの縮小が課題となっている。急須文化の衰退や少数・単身世帯の増加によりリーフから離れてしまったユーザーを、ティーバッグを受け皿として緑茶市場に繋ぎとめる、といった状況が続く。ティーバッグは、レギュラー価格帯製品のほか、抽出力で優位性がある三角型のプレミアム製品があり、多彩なキャンペーンも常に実施している。また、同じく嗜好飲料の紅茶やコーヒーと比べ拡大は遅れているものの、インスタント・粉末茶の存在感も高まっている。若年層や女性に支持を受ける印象があるが、実際はその簡便性が高齢者層に受け入れられているようだ。
このような中、19年市場は金額ベースでほぼ前年並みを維持したようだ。過去十数年のスパンで見ると、市場全体としてはリーフの減少分をティーバッグとインスタント・粉末茶の増加分で補える状況にはまだ至っていないことから、健闘した結果と言えよう。ただ、プラス要因は例外的で、ショルダーシーズンの夏場が記録的な低温で例年ほど需要が落ち込まなかったこと、軽減税率対象ながらも支出額の増加が警戒され消費税増税前にある程度の特需が発生したことが大きく、「下げ止まりとは言えない」(業界関係者)と楽観的な見方は少ない。一方で着実に成果を挙げている点もあり、リーフは減ったものの100g辺りの高単価製品が増え収益が改善したと見られる。ティーバッグは引き続き伸びている。インスタント・粉末茶は“血管の老化を抑制する”を筆頭とした健康ブームが薄れた感は否めず、18・19年と数字を落としたが、健康情報が広まった16・17年以前と比べ、市場規模は遥かに大きくなった。
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