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日刊食品通信
2018年7月25日

サバ缶主要ブランド、原料難で値上げへ


昨秋来の需要急増で玉確保に苦慮

  サバ缶主要ブランドは8月以降、順次値上げに動く。昨秋から続くサバ缶ブームで需要が急増していることに加え、缶詰加工用原料の不足(高騰)が追い打ちをかけた。空前のサバ缶人気は、昨秋から人気テレビ番組などで相次ぎ紹介され需要が拡大。主要ブランドを中心に販売数量が急増した。昨12月単月は倍増、年明けも1月単月で前年比5割超増と驚異的な伸びで2月以降も2ケタ増が続く。こうした状況下、生産工場はフル稼働しているが、在庫は払底。各社とも「自転車操業」状態が続いている。

 昨秋はサンマの歴史的な不漁もあり、同じ青物缶のサバ原料については各社とも厚めに確保していたが、中国など海外輸出が増えており、缶詰加工用の原料価格は高値が続いている。漁業情報サービスセンターによると、上期(1〜6月)累計のサバ類水揚量は29万t強(前年比123%)と2割増も、㎏平均魚価は82円(同106%)と上昇した。加工用原料はさらに高く、年明け段階で前年比20円アップした。今回の値上げは、早いところで8月1日出荷分からだが、大方は棚替え時期の10月から実施に踏み切る構え。値上げと値締めの両面で対応する。

  某大手は出荷価格の値上げ幅は8%だが、これだけでは採算が合わないため、販売奨励金の見直しを含めて実勢価格は引き上がる見込み。「実勢店頭売価は6号缶で現行148円から198円レベルまで引き上げないと採算が合わない」(大手)との声が上がっている。今年のサバ漁は、8月の盆明けから本格スタートするが、加工用原料価格は高値が予想されていることから、もう一段踏み込んだ価格政策を迫られるかもしれない。

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