国民をカルシウム不足から救った「ふりかけ類」

 水産物や農産物などの単品あるいは数種類を組み合わせ、乾燥させて海苔やごまなどを加えて調味料を混合した「ふりかけ」。主に米飯・めん類などにふりかけて食べますが、お茶漬けの素やおむすびの素などもこの仲間です。
 熱々のごはんにふりかけて食べるふりかけのはじまりは大正初期。ある薬剤師が当時の日本人のカルシウム摂取量が少ないことに着目、小魚をそのまま乾燥させて粉末にしたら良いのでは、と思いついたことと云われています。その粉末に調味料・煎りごま・海苔などを加え、おいしく食べやすくしたものが瓶詰めで発売されました。当時はふりかけという呼ばれ方ではなく、「○○の友」などの商品名だったようです。その後、1960年頃からは、ふりかけ食品として定義づけられ、正式名称として使われるようになりました。幼少のころにふりかけでごはんを食べた世代は、大人になっても愛用を続けている人も多く、世代を超えた食品と言うことができるでしょう。
 長く続く景気停滞から消費者の節約志向が浸透、内食化が進んだことで03年からは増加傾向が続いています。