古代人も食べていた海の緑黄色野菜「ノリ」

 四方を海に囲まれている日本。それだけに古くから海産物との関係は密接です。古代人の貝塚から海藻類が発見されていることからも、すでに海苔が食されていたと考えられています。海の緑黄色野菜と言われるほど栄養価も高く、健康増進にも役立っています。
 海苔の主な産地は、宮城県(松島湾)、千葉・神奈川県(江戸前)、愛知・三重県(伊勢湾)、瀬戸内、有明・熊本などです。宮城県は毎年開催される全国一番共販漁連として、早出しの新海苔が高く評価されています。江戸前は、寿司や浅草海苔などのイメージがあり、首都圏で人気です。また、国内最多の生産量を誇り、全国の生産量のうち約4割を占めているのが有明・熊本です。
 海苔には豊富なビタミン、ミネラルの他、食物繊維や必須脂肪酸が含まれており、健康増進、生活習慣病予防などの効用が知られています。北里大学の山本一郎元教授は、ラットの実験で海苔に制ガン効果があることを明らかにしましたし、坂上良男東京工業大学名誉教授は、マウスを用いた実験で100%胃潰瘍を防ぐ結果を得ています。この他にも、老化防止、酒やタバコの愛好者に、ダイエットに、コレステロール低下になど、様々な効用が認められています。
 養殖された生海苔を刻んで漉(す)いて乾燥させたのが干しノリ、これを焼いたのが焼ノリです。干しノリの品種としてはアマノリ属のスサビノリやアサクサノリが有名です。 青ノリは、たこ焼きやお好み焼きなどにふりかける粉末状。アオノリ属で、商品によって様々な品種が使われています。ちなみに岩海苔は、岩に自然についた海苔で、収量はごくわずか。主に佃煮などに使われています。(参考URL:全国海苔貝類漁業協同組合連合会 http://www.zennori.or.jp/index.html )