世界初の市販品は日本のカレー「レトルト食品」

 1950年頃、アメリカ陸軍で研究が始まったレトルト食品。当初は宇宙食や軍用食として研究が重ねられましたが、今では一般家庭でも冷凍食品に並んで欠かせない食品のひとつとなっています。市販製品を開発したのは日本が初めて。ご存知のカレーでした。
 一般的にレトルト食品が知られるようになったのは、1969年に打ち上げられたアポロ11号に5品目が積み込まれ、宇宙で食べられてからでした。一般に市販されるようになったのは世界でも日本が初めてです。同年にレトルトパウチ入りのカレーが販売されました。その後、参入企業が増え続け、近年では100社を超える企業で500種以上のレトルト食品が生産されています。
 レトルト食品とは、加圧加熱殺菌装置で殺菌できる袋状、またはトレー状などの容器に詰められた食品。軽量で取り扱いやすく簡単に開けられること、わずかな時間で温められこと、さらに容器の廃棄処理がしやすいことなどが多くの生活者に受け入れられ、個食化の進行も手伝って、一般の家庭では欠かせない食品のひとつとなっています。
 カレー類やパスタソースから中華料理など調理済み食品、ハンバーグやミートボールなど食肉加工品、サンマのかば焼きなど水産加工品、赤飯や釜めしなど米飯類食品など、その品目は豊富で多彩です。また、いずれも保存料、殺菌料を使用せず、レトルト(高圧釜)殺菌することにより長期常温保存が可能で、品質の変化がほとんどない安全な食品です。
 近年のレトルト食品生産構成比は、カレー類が全体の40%以上を占め、次いでつゆ・たれ、調理用ソース類、パスタソースの順となっています。(参考URL:日本缶詰協会HP・みんなのレトルト http://www.retortfood.jp/index.html )