始まりはパンの2度焼き?「ビスケット」

 ビスケットの語源はラテン語で「2度焼かれたもの」。中世のヨーロッパでは遠征が多く、旅の保存食としてパンを乾燥させてもう一度焼いていたようです。コロンブスやマゼランも長い航海に臨む際、大量のビスケットを船に積み込んだと云われています。
 日本でビスケットが作られるようになったのは江戸時代。長崎周辺で外国人向けに作られていたビスケットを水戸藩が“保存のきく食糧”として注目、柴田方庵が長崎留学中にオランダ人から学んだビスケットの作り方を1855年に水戸藩に宛てて手紙を送った史実があります。
 ビスケット類には、ハードビスケット、ソフトビスケット(クッキー)、クラッカー、乾パン、パイ(パフ)、プレッツェル、ビスケット加工品(クリームサンドなど)があります。いずれも小麦粉を主原料として練った生地を成型し、焼いて作りますが、どんなビスケットを作るかによって、乳製品や卵、糖類、食用油、塩などの組み合わせが変わります。また、必要に応じてチョコレートやナッツ、胚芽や乾燥野菜、プロテイン、カルシウムなどを使います。ちなみに日本ではビスケットとクッキー両方の名前が使われていますが、本来これは同じ意味。イギリスではビスケット、アメリカではクッキー、フランスではビスキュイ、ドイツではビスキュイートなどと呼ばれています。 ただ、日本では糖分や油分が多めの、手作り風のものを、クッキーと呼んでもよいという取り決めあり、区別して使われることがあるのです。(参考URL:全国ビスケット協会 http://www.biscuit.or.jp/top.html )