様々な素材が溶け込んだ消化吸収のよい「スープ」

 始まりは紀元前1600年頃のエジプトに遡るスープ。11~13世紀のヨーロッパで香辛料を使うようになってから味の革命が起き、立派な料理のひとつになりました。世界各国にも特色あるスープがありますが、ここでは日本の市販スープに焦点を当ててみましょう。
 日本の市販スープの始まりは昭和26年に発売された缶詰スープです。スープ製品の輸入自由化で多くの海外製品が日本へやってきましたが、広く普及するようになったのは日本人の嗜好に合った市販スープが発売されてからのことです。
 日本でのスープは、ブイヨンに肉や香味野菜、香辛料、卵白を加えて煮込み、アクや油などを除去した「コンソメ」、ブイヨンに小麦粉やでんぷんなどをつなぎにしてとろみを付け、バター、牛乳、生クリーム、卵黄などで調味した「ポタージュ」、各国・各地域のさまざまな材料を煮込んでつくる特色ある「その他スープ」の3つに大別されます。
 市販スープは、乾燥スープとしては、「コンソメ」(固形、顆粒)、「インスタント」(顆粒、粉末、固形フリーズドライなど)と、水または水と牛乳を加えて数分加熱する多種多様な「その他のスープ」(粉末)が主流です。ほかに缶詰、レトルト、チルド、冷凍など調理済みの「液体スープ」があります。いずれも家庭で時間をかけてつくることを省いたり、調理の手助けをしてくれるだけでなく、肉や野菜などさまざまな素材の栄養が溶け込んでいるため、老若男女、その時の好みに合わせて、しかも消化吸収よく「食べる」ことができます。
 日本で消費が最も多いのはインスタントスープ、次いでカップ入りスープで、この2つで家庭用スープの6割弱を占めています。(参考URL:日本スープ協会 http://www.soup-japan.org/index.html )