産地の違いも魅力のひとつ「紅茶」

 紅茶が初めて輸入されたのは1887年とされていますが、当初はごく限られた人の楽しみでした。ティーバッグの導入や、今は主流の紅茶ドリンクの登場で市場は急拡大しましたが、リーフティーには嗜好品本来の楽しみがあります。
 紅茶もウーロン茶や緑茶と同じツバキ科のカメリア・シネンシスの葉が原料ですが、酸化酵素の作用がカギを握る製法の違いによって、3タイプの茶が作られます。インドのアッサムやダージリン、ニルギニのほか、スリランカ(セイロン)、インドネシア、中国、ケニアなどが有名で、それぞれの特長を醸し出しています。紅茶は仕上げの工程でふるいにかけられ、その形状、大きさによって「オレンジ・ペコー」や「ペコー」などの等級に区分されます。ただし、それは茶葉の「大きさ」と「外観」を表すもので、品質の良し悪しではありません。
 かつては日本でも輸出向けに紅茶が生産されていましたが、輸入が自由化された1971年からの国内販売製品はすべて輸入品に切り替わりました。また、紅茶の消費はティーバッグの導入や缶入り紅茶ドリンクの開発などを機に飛躍的に増加しました。
 今や紅茶は紅茶ドリンクとしての消費が圧倒的に多くなりましたが、それだけにリーフからの紅茶は、レギュラーコーヒー同様に手間をかける喜び、嗜好品本来の楽しみがあります。(参考URL:日本紅茶協会 https://www.tea-a.gr.jp/)