コーヒーが過半数を占める「嗜好飲料」

 嗜好品は、風味や味、摂取時の心身の高揚感など味覚や臭覚を楽しむために飲食される酒類・食品・飲料やタバコなどを言います。趣味性が強いのが特長ですが、それだけに楽しむ方は「こだわり」を大切にします。
 嗜好飲料とは、基本的に個人の嗜好を満足させるための飲料のことです。広い意味では茶類、コーヒー、ココアをはじめとして、清涼飲料類、酒類なども含まれますが、ここでは先に触れた酒類、清涼飲料類を除いた緑茶、ウーロン茶、麦茶、紅茶(いずれもリーフ=茶葉およびインスタント)、コーヒー(レギュラー=豆、インスタント、工業用)、ココアに的を絞って説明します。
 近年の9カテゴリー生産数量は50万t前後、生産金額では9,000億円前後と推定されます。ここ数年、市場規模に大きな変動はありません。数量ベースの構成比は、レギュラーコーヒーが約35%、工業用レギュラーコーヒーが18%、インスタントコーヒーが8%で、コーヒー全体で6割強を占めています。次いで緑茶は16%、麦茶が12%でした。意外に思われるかもしれませんが、紅茶はインスタントを含めても6%、ココアは4%、ウーロン茶は2%程度です。原料となっている部分もあるので、数値は清涼飲料と一部で重複していますが、いかに日本人がコーヒー好きであるかを表しています。また、輸入も、コーヒー関連、茶関連、ココア関連の合計のうち、コーヒー関連が70%以上を占めています。(データは日刊経済通信社推定)