無糖茶飲料の先駆者「ウーロン茶飲料」

 もともとは健康機能が着目されて茶葉を主体に消費されていた烏龍茶(ウーロン茶)。屋外消費を狙った缶入りウーロン茶飲料が登場したのは1981年でした。今は減少傾向にありますが、そのポテンシャルの高さは折り紙つきです。
 ウーロン茶飲料製品は、数ある無糖茶飲料の中で最も古い歴史があります。とはいえ、それは1980年代初頭のことで、当初は新宿や銀座などでの接客向けが主でした。それが折からのチューハイブームと重なり、焼酎やウイスキーのウーロン茶割りとしての需要が火付けとなり、85年頃に急拡大を始めました。また、中国のお茶でありながら日本人の嗜好に合った味覚と、ウィズフード性の高さが根底にあったことは言うまでもありません。
 ただ、瞬く間に拡大して2001年にピークを迎えた市場ですが、その後は、無糖茶飲料の多様化、緑茶飲料の勢力拡大、ミネラルウォーターや炭酸水との競合などから、漸減傾向にあります。容器別構成比は、PET容器が圧倒的に多く、びん、缶はわずかです。
 このように、現在は減少傾向にあるウーロン茶飲料ですが、無糖茶飲料市場拡大のけん引役を果たしてきたこと、競合とはいえその後の緑茶飲料登場と拡大の引き金となったこと、どんな料理にも合い、日本人の嗜好に合っていることから、そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところです。対脂肪吸収の機能が付加された特定保健用食品のウーロン茶飲料も市場に定着しています。(参考URL:全国清涼飲料連合会 http://www.j-sda.or.jp/)