加熱殺菌で大きく発展した「果実飲料」

 6,000年も前にバビロニア人が果実の飲料を飲んでいた記録があるように、果実飲料は太古から飲まれていました。ただ、食品をびんに詰め、沸騰水につけると保存できることがフランスで発見されるまでは商業的大量生産は不可能でした。
 一説には、製品として販売されたのは1800年代後半のアメリカで、教会用にブドウの絞り汁を小びんに入れて加熱殺菌したものが販売されたのが始まりとも云われています。日本では明治元年に中国人が東京築地で酒石酸、砂糖を水に溶かし、レモンエッセンスを添加して作ったのが商業生産の始まりで、果実を原料とした果実飲料が最初に製造されたのは明治30年(1897年)頃、和歌山県有田郡でミカン搾汁をびん詰めにし、大阪方面に出荷したとの記録があります。ただ、これは殺菌不十分のため発酵してしまい、事業は中止されたようです。
 JAS法では、果実飲料とは果汁10%以上の飲料のことです。ジュースは果汁100%のものだけを指し、果汁の割合が10%以上~100%未満のものは果汁入り飲料として区別されます。また、ジュースは1種類の果実から作られる果実ジュース、2種類以上の果実なら成る果実ミックスジュース、かんきつ類のさのうやかんきつ類以外の果肉を細切りにしたものなどを含む果粒入り果実ジュース、果実汁50%以上に野菜汁を混合した果実・野菜ミックスジュースなどがあります。(参考URL:全国清涼飲料連合会 http://www.j-sda.or.jp/)