輸入が国産を凌ぐ「果実・野菜缶詰」

 果実缶詰には、桃、ミカン、パインアップル、サクランボ、ビワなどのほか、フルーツサラダ(フルーツポンチを含む)、ミックスドフルーツなどの混合果実製品、みつまめなどがありますが、再加工やリパック用途の輸入品が国産を量で凌いでいます。
 その中でミカン缶はわが国の代表的な果実缶詰で、静岡、愛媛、および九州の各県で作られており、国内消費が中心です。白桃缶詰は岩手、山形、福島などの各県で作られていますが、黄桃缶詰は日本の白桃とアメリカ系の黄桃を交配して育成した缶桃という缶詰専用の黄桃を原料に山形、福島などで作られています。
 一方の野菜缶詰は、タケノコ、グリンピース、アスパラガス、スイートコーン、トマト、マッシュルーム、つけもの、ゆで小豆などがあり、おもな生産地は北海道、岩手、山形、福島、長野、愛知、京都、徳島、香川、愛媛、福岡、熊本などです。こちらも果実缶詰同様、輸入品が圧倒的に多くなっています。品目別には、タケノコ、スイートコーンが多くなっています。
 そのまま食べることが多い果実缶詰に対し、野菜缶詰は何かしらの用途で使われることがほとんどです。果実缶詰は生鮮とは違った旬に関わらない味わいが人気のひとつで、野菜缶詰は下拵えがひと手間省けることも利点といえます。(参考URL:日本缶詰びん詰レトルト食品協会 https://jca-can.or.jp)