理想的な加工食品のひとつ「缶・びん詰」

 1800年台初頭にフランスで製造原理が発明され、イギリスでブリキ缶の発明と初の缶詰工場が誕生したのが始まりとされています。今では世界で約1,200種類が生産され、アメリカ、イタリア、タイ、中国、スペイン、フランス、フィリピン、ギリシャ、インドネシア、南アフリカ、オランダ、日本などで、全世界の約90%を生産しています。
 食料缶詰は、マグロ、サケなどの水産缶詰、ミカン、桃、パインアップル、混合果実などの果実缶詰、スイートコーン、トマト、マッシュルーム、アスパラガスなどの野菜類缶詰が主要品目です。そして、世界中で生産された缶詰は、輸出・輸入を経て世界各国で広く消費されています。日本で初めて缶詰が作られたのは1871年。フランス人の指導の下、いわしの油漬け缶詰が作られました。1877年には、北海道に日本初の缶詰工場が完成し、さけ缶詰が生産されました。その日本は今、世界でも有数の生産国であり、代表的な消費国になっています。
 1968年に缶詰製法を応用したレトルト商品が登場すると、缶・びん詰の生産は減少に転じましたが、保存性の高さや利便性、種類の多さなどから、保存食としての消費にも支えられるとともに、グルメ缶詰の登場と人気高騰が脚光を浴びました。缶詰BARが流行ったのも記憶に新しいことです。最近では缶詰を活用した料理も広まっており、その味の良さも再認識されています。(参考URL:日本缶詰びん詰レトルト食品協会 https://jca-can.or.jp)