ヨーロッパとはタイプが異なる「バター」

 紀元前2000年頃から作られていたとされるバター。パンに塗るだけでなく、広範な用途があります。脂肪分が多く含まれていますが、コレステロール値が正常であれば、巷間言われるような心配もなく、冷凍保存も可能です。
 バターは牛乳中の脂肪分を取り出し、練り上げたものです。昔は手作りでしたが、19世紀に機械化され、現在では連続式製造機で生産されています。乳等省令により「生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの」と定義され、成分は乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下と定められています。
 製法によって発酵バターと非発酵バターに、食塩添加の有無によって有塩(加塩)バターと無塩(食塩不使用)バターに分類されます。発酵バターは原料となるクリームを乳酸菌で発酵させて作り、特有の芳香があります。ヨーロッパではほとんどが発酵バターですが、日本での主流は乳酸発酵させないクリームを原料とするクセのない非発酵バターです。
 一方、家庭で多く使われているのが、食塩を加えることで風味がよくなり、保存性も高くなる有塩バター。主に製菓用、調理用に利用されているのが無塩バターです。この他に、気泡を含ませて柔らかくしてパンなどに塗りやすくしたホイップバターもあります。
 脱脂粉乳の副産物という側面から、脱脂粉乳の需給による在庫問題を常に抱えていますが、調理や製菓、加工食品など広い範囲で欠かせない乳製品です。(参考URL:日本乳業協会 http://www.nyukyou.jp/index.html)