誕生のキッカケは新石器時代「乳製品」

 乳製品は動物の乳、とくに牛から搾った乳を加工して製造されます。牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、バター、クリーム、アイスクリーム、練乳、粉乳など、そのほとんどが私たちの生活に密着、健康増進にもひと役かっています。
 乳製品の起源は新石器時代。中近東あたりで牛、山羊、羊の家畜化が広がった頃にまで遡ると云われています。ただ、すべての乳製品の根幹となっている生乳を、過熱せずに乳酸発酵させることができたのはヨーロッパやロシア、モンゴル、東アジア高原など気温の低い地域に限られます。生乳の表面に浮いた脂肪分の多いクリームをかき回して乳脂肪の固まりを集めたバターも同様で、現在ある乳製品の多くは寒冷地で誕生、発達してきたようです。日本へは6世紀半ばに仏教とともに乳利用の知識が伝播されましたが、当時は天皇や少数の特権・上流階級以外はその存在を知る由もありませんでした。
 乳製品は戦後急速に進んだ食の多様化に合わせ消費が急拡大しました。高度経済成長期に大きく増加した生乳生産量も、最近は消費低迷などで減少傾向にありますが、日本の食品産業の重要な部分を占めていることに変わりはありません。
 原料調達が生き物相手のため需給調整が難しく、ひっ迫と過剰を繰り返す部分もありますが、健康な生活にとって不可欠なカテゴリーです。(参考URL:日本乳業協会 http://www.nyukyou.jp/index.html Jミルク http://www.j-milk.jp/index.html)